- スタイルガイド「美住」
- 外観コーディネイトの手順
- 色彩心理と外観
同じ外壁でも面積や距離、見る時刻などによって見え方が変ります。
せっかく選んだ色(柄)が「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、
視覚的効果や心理的効果に注意しましょう。
施工後の色の印象が、小さなサンプルで見たときの印象と大きく変わることがあります。これを面積効果と呼んでいます。明るい色はより明るく彩度も強く見えます。なるべく大きなサンプルで施工後の印象を確認しておくとよいでしょう。
近くで見た時のサイディングは凹凸や複雑な色の重なりが良く見えますが、遠ざかるに連れて、色柄の細部は見えにくくなり単色に近づいて見えます。サンプルを屋外に置いて、遠くから見てみることも大切です。
色が最も冴えてクリアに見えるのは晴天時の日中です。また図のように時間帯や天気によっても光の色(色温度)が変化するため、屋外で見る色は常に同じではないことを理解しておきましょう。これを光の演色性といいます。
色は隣合う色との対比で見え方が変化します。これを対比効果といいます。典型的な例が明度対比と呼ばれる現象で、同じ白や黒でもより明度差のある色に囲まれると明るさや暗さが強調されて見えます。対比効果は建物と背景の関係にもあてはまります。
色には心理的な重さがあり、明るい色は軽く暗い色は重く見える性質があります。軽快な感じにしたい時は明るい色を増やし、重厚な感じにしたい時は暗い色の比率を高めるといった具合に、配色の際の面積比を調整する目安ともなります。
ごくまれに、派手なピンクや赤、紫といった色の住宅を見かけることがあります。住んでいる人は満足かも知れませんが、こうした色は街並みのまとまりを壊しかねません。周辺環境に溶け込む色は資産価値を保全することにもつながります。