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海外で主流の樹脂サイディング!
種類や工法、選び方を詳しく解説

脂サイディングは耐久性に優れ、撥水性も高く雨風にも強い外壁材です。北米で50年以上前から利用されており、日本でも徐々に利用が広まっています。メンテナンス回数・費用を抑えられ、コスパの高い樹脂サイディングのメリット・デメリットやメンテナンス方法などについて解説します。

日本の住宅では外壁材として窯業系サイディングが一般的に利用されていますが、寒冷地や海沿いの地域では劣化がはやくなるケースがみられ、メンテナンス費用がかさんでしまうことも少なくありません。

そこで、メンテナンス費用や厳しい環境、塩害などに重点を置いた外壁を選びたい方にオススメなのが「樹脂サイディング」です。樹脂サイディングは耐久性が高いのが特徴で、寒冷地・海沿いの住宅の外壁素材として最適です。本記事では樹脂サイディングがどのような特徴を持っているのか、また利用するメリットや期待耐用年数、リフォームの相場などを詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

アメリカではポピュラーな外壁材樹脂サイディング

樹脂サイディングとは、プラスチック素材のひとつである「塩化ビニル樹脂」を使った外壁材です。他の外壁材と比べて耐久性が高く、メンテナンスの手間がかかりにくい点が特徴です。

アメリカやカナダなどの住宅では、その耐久性の高さから樹脂サイディングが主流になっており、アメリカの住宅では樹脂サイディングが外壁材として最も多く採用されています。現在の日本ではあまり一般的ではありませんが、その耐久性・コストパフォーマンスの高さから、日本の住宅でも徐々に普及してきています。

出典:The Freedonia Group.inc

外壁を樹脂サイディングにするメリット

日本での普及率はまだ低いですが、環境の厳しい北米で一般的になるのは外壁材として優秀な面があるからです。塩害や凍害に強いだけでなく、メンテナンスの期間がサイディングの中で一番長いことも大きな特長です。

サビに強いので海沿いでもOK

樹脂サイディングはサビに強い点が特徴です。海沿いの住宅だと潮風が年中吹き付けてくるため、こうした潮風から受ける塩害に対応した外壁材でないと劣化がはやまってしまいます。その点樹脂サイディングであれば、他のサイディングに比べて潮風の塩分によって受けるサビなどの影響を最小限に抑えることができます。

凍害に強いので寒冷地でも人気

樹脂サイディングは、外壁が凍結することによってダメージを受ける凍害に強い外壁材です。樹脂サイディングの主要原料である塩化ビニルは撥水性が高く、水・湿気を吸うことが少なく、水・湿気を吸って凍結してしまうことはほとんどありません。北米のカナダなど寒さが厳しい地域でも樹脂サイディングは外壁材として広く使用されています。日本でも東北・北海道など寒さが厳しい地域で住宅を建てる際に、凍害に強い樹脂サイディングはオススメです。

素材が軽くひび割れにくい

樹脂サイディングは素材が軽く、ひび割れにくいという特徴を持っています。素材自体が軽く建物への負担が少なくて済むため、地震のときの建物のダメージを低減することが期待できます。そのため、リフォームの際に外壁材を上から張る、重ね張り(カバー工法)にも適しているため、外壁リフォームのコストパフォーマンスがよいのも魅力のひとつです。

他のサイディングに比べお手入れが簡単

樹脂サイディングは、ホースなどを使って水をかけるだけである程度汚れが落ちるため、他のサイディングに比べるとお手入れが簡単です。表面のほこり・泥などを水で洗い流すだけでお手入れ完了となります。また表面をきれいにしたい場合はブラシやスポンジを使うのもオススメです。

メンテナンス回数が他のサイディングよりも少ない

樹脂サイディングの大きな特徴として、メンテナンスが必要になるまでの期間が長いことがあげられます。樹脂サイディングは期待耐用年数が長く、25年〜30年間となっています。25年〜30年に一度はメンテナンスをする必要がありますが、他のサイディングと比較すると耐久性に優れています。

再塗装と違い剥がれや色ムラが発生しづらい

樹脂サイディングには外壁材自体に顔料が練り込まれているため、表面の塗装が劣化しても建物自体が傷むことはなく、一般的な外壁とくらべると剥がれや色ムラが発生しづらいです。また万が一、外壁を傷つけてしまっても外壁材の中まで顔料が入っているので傷が目立ちにくいという特徴があります。

外壁を樹脂サイディングにするデメリット

樹脂サイディングは優秀な外壁材ながら、日本ではまだ普及率が低いために初期費用は高くつく傾向があります。このようなデメリットについても理解を深めておくことで、樹脂サイディングを活用する際に役立てましょう。

色やデザインの選択肢のバリエーションが少ない

樹脂サイディングはいま現在の日本ではあまり普及していないため、他のサイディングと比べて色やデザインの選択肢のバリエーションはまだ少ないです。外壁の色・デザインにこだわりたい場合、樹脂サイディングでは対応できないケースも出てきます。樹脂サイディングを使うと比較的シンプルな外観となりやすい点に留意しておく必要があります。

 

別の色を塗装することができない

他の外壁と大きく異なる部分ですが、素材自体が伸び縮みする性質を持つ塩化ビニルの特性上、上から別の色を塗装することができません。新築をお考えの方は、長く付き合う外壁なので、デザインはもとよりぜひ色にもこだわって選ぶようにしましょう。

他のサイディングと比較すると初期費用が高い

樹脂サイディングの材料費は1平方メートルあたり8,000円〜1万円が相場になってきます。日本の住宅で広く使われている窯業系サイディングの場合だと、費用相場は4,000円〜5,000円ほどなので、樹脂サイディングの方が約2倍材料費が高いです。また施工できる業者も多くないので、トータルの初期費用も高くなってしまいます。

施工できる技術者が少ない

日本ではまだ普及も進んでいないため、他のサイディングにくらべると施工業者が少ないのが現状です。このため、施工できる業者を探すのに時間がかかる可能性があります。また、樹脂サイディングは優れた外壁材である一方、日本国内で樹脂系サイディングの取り扱いメーカー自体が少ない点も対応できる施工業者が少ない要因です。

【早見表】樹脂サイディングと他のサイディングとの違い

樹脂サイディングがオススメのケース

樹脂サイディングのメリット・デメリットをふまえると、寒冷地や海沿いなどに住んでいる方や新築を検討されている方にはもちろん、定期メンテナンスの回数が少ないことも樹脂サイディングの特徴のひとつです。メンテナンスの機会を少なくしたい方にもオススメです。

寒冷地・海沿いに住んでいる

外壁を樹脂サイディングにするメリットでもお伝えした通り、樹脂サイディングは凍害や塩害に強いため、北海道などの寒冷地に住んでいたり、海沿いの家の外壁に悩んでいる方にはオススメです。

 

メンテナンス回数を少なくしたい

樹脂サイディングは基本的に耐久性が高いので、メンテナンス回数は他のサイディングにくらべると少なく済む傾向にあります。サイディングのなかでは、30年保証(※)と長い保証期間を設けている商品があるのも魅力のひとつ。メンテナンスの回数を少なくしたいと思う方にはオススメです。ただし、定期的な外壁の清掃は必要です。海沿いであれば、外壁に付着した塩をそのまま放っておくと壁に色が残ってしまうこともあります。業者を必要とするメンテナンス回数は少なく済む一方で、日ごろの定期的な清掃は必要な外壁材ということは認識しておきましょう。
※部分的な変色・退色に対して30年保証

樹脂サイディングのメンテナンスや期待耐用年数

樹脂サイディングを実際に利用する際に気になってくるのが「メンテナンス」や「期待できる耐用年数」です。実際にどれくらいのスパンでメンテナンスが必要になるのか、また期待耐用年数はどれくらいなのか改めて確認していきましょう。

期待耐用年数・メンテナンススパンは25年~30年

樹脂サイディングの期待耐用年数は25年〜30年ほどになります。そのため25年〜30年後に一度はメンテナンスが必要になると考えてください。

樹脂サイディングでは基本的に張り替えによるメンテナンスを実施します。もし建物全体を支える骨組みである躯体や下地が傷んでいた場合は、それらも修繕する必要があるため大規模修繕となる可能性もありますが、外壁材である樹脂サイディングのみの損傷であれば、サイディング1枚単位の交換で済む場合もあり、そのときの状態次第となります。
 

樹脂サイディングの工法の種類と費用の相場

樹脂サイディングは新築にはもちろんのこと、リフォームのときにも選択できます。素材が軽いため、既存の壁に新たな外壁を重ね張りする「カバー工法」にも、適しているといわれています。ここでは「カバー工法」と「張り替え」について、工期や費用なども解説します。

新築の工法や費用について

新築時の工法や費用については建物の構造や下地の種類、使用する資材によって価格や施工方法が変わってくるため、詳しくは施工業者に確認が必要です。

 

リフォーム|カバー工法(重ね張り)

カバー工法は、劣化したサイディングなどの外壁を剥がさずに、樹脂サイディングを上から重ねて張るリフォーム工法です。
一般的な外壁塗装が劣化した防水機能などを復元する意味合いであるのに対し、カバー工法は断熱性や遮音性の向上といった付加価値を生み出します。ただし、重ね張りするもとの外壁材に樹脂サイディングを採用している、もしくは金属サイディングの外壁材である場合は樹脂サイディングを新たに重ね張りすることはできないのでご注意ください。

必要な工期は3週間〜4週間と、一般的に2週間程度で完了する外壁塗装などよりも長期間に及びます。費用は使用する外壁材の種類によっても異なりますが、外壁の面積1平方メートルあたり1万円前後です。これに加え、足場や付帯工事の費用として約40万〜50万円をプラスして見込んでおく必要があります。費用相場としては30坪程度の一般的な住宅の場合、170万円ほどの費用となります。

 

リフォーム|張り替え

外壁のリフォームで樹脂サイディングを利用する場合、もともと張ってあったサイディングを剥がしてから、新しいサイディングを張る工法です。

ただし、外壁材をすべて剥がすためリフォーム工事が大規模になりやすく、費用も高くなる傾向にあります。目安ではありますが、100万円〜300万円ほどのリフォーム費用がかかってくると考えてください。

事例紹介|樹脂サイディングは輸入住宅のような明るい色がおすすめ

お手入れがしやすいサイディングは、他の外壁材では敬遠されがちなホワイトなどの明るい色がオススメ。また輸入住宅のようなシャビーシックな色合いや鮮やかなブルーなどが選択できるのも、樹脂サイディングならではです。

無垢なイメージのホワイト系

お手入れがしやすい樹脂サイディングならではのホワイト系です。汚れを気にするあまり、オフホワイトにしがちですが、日ごろの清掃で色を保てる樹脂サイディングなら、汚れを気にせずに真っさらなホワイトの選択もできます。

海外を思わせるレンガ調と青色のコントラスト

もともと海外で普及しているサイディング材なので、輸入住宅のような海外を想起させるデザインも可能です。鮮やかな青は、少しグレーを足したものを選択して上品さをプラスさせるのがオススメです

性能は高くメンテナンス費用も抑えられるのでオススメ

日本では普及率の低い樹脂サイディングですが、メンテナンススパンも長く耐久性や撥水性が高いため非常に優秀な外壁材です。ただし、施工に技術を要する点や色の上塗りができない点など、樹脂サイディングならではのデメリットがあるのも事実です。
寒冷地や海岸沿いの住宅ではメリットが多いので、一度信頼できる施工業者に相談してみるか、樹脂サイディングを施工できる業者へ問い合わせをしてください。

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